
先日、再生可能エネルギーの一つである洋上風力発電において、千葉県銚子市沖合で進められていたプロジェクトが、三菱商事の撤退により暗礁に乗り上げました。資材価格や人件費などの高騰が原因で採算が取れないとのことです。このような撤退は、カーボンニュートラルの実現が遠のいたと感じる人がいるかもしれません。…しかし、私はそもそも再生可能エネルギーが本当に地球温暖化を抑制できるのか?、そしてカーボンニュートラルに貢献するのか?(貢献したとしてその先に何が待っているのか?)疑問を持っていました。
地球温暖化と化石燃料
地球温暖化が進行していることは確かです。統計データがありますし、ふつうに生活していて気温が上昇していることを実感できます。しかし、温暖化が化石燃料、つまり石炭・石油・天然ガスなどの使用によるCO2排出に起因するという主張には、根拠が乏しいと感じています。ICPP(気候変動に関する政府間パネル)の報告書は以前に何度か確認したことがありますが、CO₂濃度の上昇や気温変化が観測されているとしても、それが因果関係を持つとは限りません。地球の気候は太陽活動、海洋循環、火山活動など多様な自然要因によって左右される複雑なシステムであり、温暖化の進行を単純に温室効果ガスの増加だけに帰するのは早計です。観測データは人間活動と自然変動を明確に切り分けるには不十分であり、気候モデルも不確実性を含みますし、パラメータの設定によりどのような結果も導き出すことができます。そのため、CO₂が主因であると断定する根拠にはならないと私は考えます。
そもそも、地球は長い歴史を通じて周期的に寒冷な氷期と温暖な間氷期を繰り返しており、現在の温暖な状況は単なる「間氷期」の一環に過ぎないのではないかと思います。
温暖化よりも「氷期」が問題?
実際、温暖化よりも私たちが本当に直面すべき問題は、「氷期」の到来であると考えています。氷期が来ることで食料が不足し、生活基盤が崩れる恐れがあります。ただし、氷期が到来することは我々の何世代も後のことですので、今心配することはありません。
再生可能エネルギーの限界
再生可能エネルギーが普及しても、電力の安定供給には大きな限界があります。特に太陽光発電は夜間に発電できず、洋上風力発電も気象によって発電量が大きく変動します。そのため、これらのエネルギー源だけでは十分に電力を賄うことはできません。事実、政府の方針にも再生可能エネルギーと並行して原子力発電を推進する旨が記載されていますが、これは再生可能エネルギーだけでは電力需要を満たせないと政府も認識している証拠です。
再生可能エネルギーのコスト問題
さらに再生可能エネルギーは、化石燃料を使った火力発電よりも高価となります。再生可能エネルギーの導入によって、私たちの負担は家庭だけでなく、製造業などにも大きな影響を及ぼします。高額な電力コストを支払うことで、製造業は海外拠点に移転せざるを得なくなり、結果的に産業の空洞化を招く恐れがあります。この点でも再生可能エネルギーの普及には大きな問題があると考えています。
CO2排出権(カーボンプライシング)の問題
さらに、CO2排出量削減の一環として「排出権取引」や「カーボンプライシング」という制度が推奨されています。排出権とは、CO2の排出量を減らした企業や国が、その減らした分を「権利」として保有し、CO2を排出する企業がそれを購入することで排出を合法化できるという仕組みです。一見、CO2削減を促す仕組みに見えますが、実際には「お金を払えば排出してもよい」ということになり、全体のCO2排出量はいつまでも減らないことなります。このような制度に依存していては、本質的な問題解決につながりません。
👉 参考: カーボンプライシングについて(環境省)
解決策としての原子力発電
再生可能エネルギーの課題に対する解決策として、小型原子炉を利用した原子力発電が挙げられます。従来の大型原子炉と比較して、小型原子炉は安全性が高く、設置の柔軟性にも優れています。日本では終戦前の原爆投下や、2011年の福島原発事故により、なんとなく原子力発電を敬遠する風潮があります。ただし、安全が確保された原子炉であれば議論が通りやすいかと思います。
小型原子炉により、電力の安定供給が確保され、さらに温室効果ガスの排出も抑制できます。原子力発電の導入は、今後のエネルギー政策において重要な選択肢となるべきだと考えています。
👉 参考: 小型原子炉に関する国際動向(IAEA)
再生可能エネルギーの導入には確かに一定の価値がありますが、その限界や問題点を無視して進めることは、将来にわたる負担を生む可能性が高いと感じます。エネルギー政策を考える際には、再生可能エネルギーのメリットとデメリットを冷静に評価し、適切な選択肢を模索していく必要があります。